2022/02/01

「明るくて暖かくて風通しの良い家」


 部屋の明るさは窓の大きさも必要だけど、取り付ける高さも大切。同じ大きさの窓でも30センチ高さが違うだけで部屋の明るさが随分変わることをできるだけ丁寧に伝えたいので、工事中に窓の高さや位置を説明するようにしている。設計図を描いている立場なら窓の大きさと高さは認識できてるが、お客様と共有できているかをいつも大切にしている。


 窓の高さに気を付けると、お隣さんと窓越しに目が合ってしまうこともなくなるからカーテンを開けることが増えると思う。カーテンあけると空が見えるし、夜は星も見える。朝日が差し込む東の窓も、夕日が部屋を照らす西の窓も好みの部屋作りができる。

「西日なんて暑いだけだから」

と思っている人にはいいお知らせ。近年はガラスの性能がとても向上しているので、西日は差しているけど暑さを感じにくいガラスもあるから驚きです。

 西日を嫌うのは僕らの世代ともう少し上の世代が呪文のように言い続けたのと、小さなころに使っていた自分の部屋が西日がよく差してとにかく暑いイメージが強く残っている人も西日は嫌う。嫌われ者の西日だけど夕暮れに見とれてしまうのは不思議です。


 徳島は敷地の起伏がないので平坦な土地に行儀よく並べる家が多いから、なおさら隣との視線がぶつかりやすくなってしまう。もっと敷地の特性をうまく使えば魅力的な建物になると思っているから、建物の外観をよく見せる庭も一緒に提案するようにしている。


 庭に植える植物が近隣の家との視線をにがしてくれたり、夏は太陽のキツイ日差しを抑えたりもする。冬はやらかい日差しを部屋の奥まで届けてくれるのは、住みだしてから体感すると家への愛着がさらに深まると思うし家で過ごす時間が好きになればいいなと思う。























            部屋の尾まで差し込む冬の日差し

2022/01/30

鍵穴のない玄関扉


 玄関のカギをポストの中や鉢植えの下に隠して家族で共有できるようにしていた記憶を持っている方もいると思いますが、誰かに見つかってしまうと簡単に玄関の扉が開いてしまうので、できれば個別に鍵を持ってると安心できますよね。


 そこで最近よく見かけるようになったのは車と同じ、リモコンキー。


 ボタンを押せば解錠。引き戸の玄関扉もあってこれはいい。片手でかるく動くうえに横に動くから出入りもスムーズ。近年は引き戸を希望する方が増えているので商品も充実している。リモコンキーのもう一つの良いところはインターホンに連動して施錠解錠の操作ができること。玄関先の来訪者を確認してから解除ができるわけです。


 ところでこの玄関扉、取手周りを探しても鍵穴が見当たらないのはピッキング防止の目的もあります。泥棒が嫌がるドアが増えて防犯性が向上しているには安心できていい。では、鍵はないのかというと、鍵もあります。取手にカバーがされてあってそれをあけると鍵穴が見える。この鍵もセキュリティー向上のため製造メーカーでないと複製できないようになっています。


























 


 それにしても、泥棒が鍵穴に針金さしてカチャと開けるシーンは一昔前のようで近年はガラスを割って鍵をあけて侵入するほうが多い。家の提案で割れないガラスや人感センサー照明を合わせて設計にくわえるのは泥棒を撃退する方法のひとつとして有効だからです。




2021/06/01

S様邸 新築工事(鳴門の家)

 5月22日(土)

梅雨の晴れ間の中、鳴門市で行なっている新築工事の棟上げが無事終わりました。


「5月ならまだ梅雨に入ってないので、良い天気のもと棟上げできますよ」

とお伝えしたのは今年の1月ごろ。ところがその梅雨が今年に限って駆け足でやってきたのでビックリ。


1週間前の天気予報で、棟上げ当日の降水確率は70%  いつもなら中止にするところですが、お施主様のご主人さんがとても頼れる「晴れ男」。これは大いに期待したい! お子様も当日が晴れるように毎日空を眺めてくれた結果、なんと棟上げ当日は雨は降らず絶好の棟上げ日和!(嘘みたいなホントの話(^^;;  )



当日はお施主さまのお知り合いや親族さまに棟上げを祝ってくださいました。



















お客さまそれぞれご希望のお家は違うけど、棟上げの時にもつ晴れ晴れとした気持ちは皆さん同じと思うし、我々作り手側も同じ気持ちになれる。



S様のお家の特徴は、

「スキップフロア」で間仕切る各スペース


S様との打合せがスタートしたのは昨年の10月

その少し前におこなった、OPENHOUSEに来てくださったのが最初の出会い。


「建築希望の土地は購入したのですが、建物の形状がなかなか決まらなくて。”いえにわ”さんの風と光を取り込む建築設計に興味がありました。」

いえにわを選んでくれた理由を最初に聞けたのが、基本設計の大きな方向性を決めた。


S様がお家に求めるものは、

「朝日で気持ちの良い日をむかえ、夕日を愛でる一日にしたい」

敷地の形状や近隣の建物の位置によって、朝日を家の中に取り込むことに苦労することが多いけど、今回はその朝日に加え夕日もとの希望。これはなかなかムズカシイ(^-^;


解決策として提案したのは、

「LDKを中二階に設置するスキップフロアで間仕切る部屋」


家を設計すると、1階・2階といった具合に部屋を提案することが多いけど、明るさや風通しを追求するなら、各部屋の床の高さに変化を持たせることがいい。部屋も広く見せることができるし、目線があちこち移って、部屋の表情もいろんな角度で見れるので住んでいて楽しい。


気をつけなきゃいけないのが、扉で仕切らないので空間が広くなり、音や声が響いてしまうこと。

「家族がどこにいてもなんとなく感じ取れる雰囲気のほうが好み」とS様

だったら、デメリットは解消されるのでスキップフロアをつかった間取り提案することにした。





棟上げ日にはすでにその骨組みはできあがった。

これから完成に向けて、室内装飾に加えとても大切になるのは、窓から見える庭木の様子。


S様にはこちらもどうぞ楽しみにしていてくださいと伝えて、自分でハードルを上げてみました^^



T.Yokozeki