2022/02/12

まど

 

 今は冬だから、葉っぱが落ちて枝だけになっている植物の姿は寒い季節をより寒く感じさせる。でも遮るものがなくなっているから太陽の陽ざしが部屋の奥までとどいて明るくて暖かくて気持ちいい。


 僕が設計した家を見学に来た人は「窓が大きくて、気持ちいいですね」と言ってくれて嬉しくなる。完成したお客さんの家をほめてくれると天にも昇る気持ちになって、共感してくれる人がいるんだと安心します。


 「そうなんですよ、窓はね、」なんてついつい得意げに説明している自分に気づいて恥ずかしい。でもそれだけ窓が好きで間取り図を描いているときも「ここから見える景色は、」とか「夜は月が見えるといいな」と考え、なにより住む人が喜んでくれたらいいなと思っています。


 僕は徳島市内の交通量が多い道路際に住んでいるけどつけているカーテンは1か所だけ。部屋から洗濯物が見えないようにしているのと、その先にあるアパートの視線を逃がすためにつけました。外から室内は見えると思うけど視線があうこともないし、必要に感じていないからつけていない。だから窓を遮るものがないので部屋がとても広く感じる。


 平面計画するときは、お隣さんの窓位置がどこにあるかを確認して窓の高さと位置を決めるようにしている。視線があうとお互い気まずいので、そんな場所に窓はつけなし、どうしてもつけたいときは高さを高くしたり低くしたりすると視線が逃がすことができる。


 窓がもっと部屋のインテリアをきめる大切な要素として活躍してくれるといいな。そう考えていると、「こないだの見学会で見せてもらった窓の配置をうちの家にも取り入れてほしい」とお客様から声をかけられたのは嬉しかった。
























 向こうにみえるのは、紅葉の期間が長いモミジの園芸品種。手を洗うときに、なんとなく目を向けた先に植物がいてくれたらいいなと思って配置してみた。